相互評価

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ところてん『カントリーロード』

1.大学に続く坂道 月曜日 午前8時

 駅から山上の大学へと続く坂道を一人の女性が歩いている。
 その顔は明るく、長い長い坂道を軽やかに進んでいく。
女「今日から本格的に授業やし、
  同じ授業とってる子らと仲良くできたらええなぁ。」
 坂道を埋め尽くす人ごみの中をかき分けるようにして女は歩いて行く。
 下宿先の最寄り駅と、大学の最寄り駅間の定期券に記された
 「学」の文字を見て、女は笑顔になる。
女「♪今日から華の大学生〜」
 女はオリジナルの歌を口ずさみ、坂道を駆け上がる。


2.大学学生食堂 木曜日 午後12時半

 食堂の窓際席で、女は一人で味噌汁をすする。
 隣で下品な笑い声をあげる男達に顔をしかめながら、
 ご飯を口に運ぶ。
女「別に、誰かと一緒におらな生きていかれへんわけじゃないんやし。」
 女が呟く。
女「私は一人でもちゃんとやっていけてるし。今日の晩ご飯、何にしよかな。」
 食べ終わった食器を載せたお盆を持って、女が足早に席をたった。


3.帰りの坂道 木曜日 午後15時

 大学から駅まで続く下り坂。女は2,3人で歩きながら
 騒いでいる女子たちを抜いて足早に山を下っていく。
女「早く帰って、洗濯物して、米洗って…あぁ、めんどくさいなぁ。」
 小さな声で愚痴りながら、女はふと横に見える山を仰ぐ。
女「うちの裏山に似てるなぁ…弟ら、また山の中で遊んどるんやろか。」
 女は溜息をつき、坂道の先にある駅を目指して歩く。


4.下宿 日曜日 午前10時

 晴天の中、洗濯物を干し終えた女が大きく伸びをする。
女「あぁ、することなくなった。」
 女は部屋に戻り、テレビをつけてアルバイト情報誌を眺める。
女「いろいろとお金かかるし、親にばっかり頼ってられんしな。」
 パラパラとページをめくり、下宿先から近いバイト先を探す。
女「どうせ休みの日も暇やし、サークルも入らんし。」
 女は独り言を呟きながら、ページをめくり続ける。


5.大学に続く坂道 次の月曜日 午前8時

 大学へ続く緩い坂道を、女がゆっくりと登っていく。
 山を仰ぎながら、顔をしかめる。
女「これ、夏は大変やろな…」
 なかなか前に進まない人々の流れにのりながら、
 女はリュックから出したお茶を飲む。
女「大学行くのめんどいなぁ…」
 山を眺めると、キノコを採りによく山へ入った祖母と母の姿がちらつく。
女「そういえば…」
 女は前の人に合わせて歩いたり立ち止まったりしながら、感慨に浸る。


6.回想 高校3年生 1月

 山の麓にある家の居間で、女とその母親が口論している。
母「片道3時間て、そんなんうちから通えるわけないやろ!」
女「だから下宿する言うてんねん!」
母「下宿はあかん!女の子が一人でなんて、危ないやろ!」
女「大丈夫やって!そんなお母さんが思ってるほど物騒じゃないよ!」
母「別にそんな遠いところいかんでも、近くの大学でええやろ!」
 母の言葉に、女は顔をしかめる。
女「私の夢を叶えるには、あそこじゃないとあかんねん!」
 女の言葉に、母は前かがみになっていた体を戻す。
 麦茶をすすり、溜息をつく。
母「ほんまにそこやないとあかんのやな?」
 冷静になった母の言葉に女は神妙な顔つきで頷く。
女「…うん」
母「よっしゃ、わかった。お父さんに引越しの準備とか頼んどいてもらうわ。
  そのかわり、絶対そこに受かるんやで!」
 母の激励に、女は涙を浮かべる。
女「ありがとう、お母さん…」


7.大学に続く坂道 月曜日 午前8時

女「ここの山見たら、お母さんに、ちゃんと頑張らなあかんでって
  叱られてるみたいやな。」
 女は微笑むと、軽やかに坂道を駆け上がった。


8.帰りの坂道 水曜日 午後1時

 人のまばらな坂道を女は足早に下る。
 その目には涙が浮かんでいる。
女「別にあんなこと言わんでもええやんか…」
 女は肩で風を切るように坂を下る。
女「あれはお母さんが私にくれたやつやのに…」


9.回想 大学の講義室 同日 午前10時半

 授業終わり直後の講義室内。
 女は部屋を出ようと荷物を片付ける。
 そのとき、前に固まっていた女子たちと目が合う。
女子1「あの子さ、なんか怖くない?」
女子2「喋ったらええ子かもせんで。いっつもすぐに部屋出るから
   あんまり機会ないけど。」
女子3「あの子、結構授業かぶってるしなぁ。」
女子4「でも、私あの子なんか嫌やわ。ちょっと田舎っぽいし。
   筆箱見た?なんかクマ柄の布のやつで、小学生に
   親が縫ってあげたみたいなやつ」
女子1「マジで?ダサっ…」
女子2「ちょっと、あんまりそんなこと言いなよ…」
 女は足早に部屋を出る。


10.大学に続く坂道 同日 午後5時

女「忘れ物とか…ついてないわ。」
 夕日に照らされた坂道を、女はゆっくり歩く。
 そのとき、朝に講義室で陰口をたたいていた女子たちとすれ違う。
女子4「あっ…」
 女子の一人が気づき、すれ違った後で騒ぎ出す。
 女は唇を噛んで山を仰いだ。
女「もう…ほんまついてないわ…」
 女の目が潤み始める。
女「家…帰りたい…」
 山に隠れて見えない坂道の先を眺める。
女「あの先に家があったらな…」 
 女の歩調が早くなる。
 母の顔と山が重なる。
 合格を誰よりも喜んでくれた母の笑顔。
女「そうやでな、頑張らなあかんよな。」
 坂道の先を眺める。
 そこには大学の門。
女「私はここで頑張るんや。」
 女は軽やかに坂道を駆け上がった。
シナリオの形式になっている=63
見える・聞こえる=57
感動した=50
得点合計=170
::歌詞とシナリオが素晴らしくマッチしています!
::読んでいると、歌詞が浮かんできてストーリーも想像しやすかったです。最後の部分を読んで心がジーンとなりました。
::きちんとシナリオ形式になっているし、感動や目に見えないものが見えていた
::情景が浮かんできます。とてもよかったです!
::読んでてとても面白いと思った
::とてもよかったです!!
::よかった。
::いいと思います
::カントリーロードの、故郷を思う気持ちと、ここで強く生きていこうという意志が、上手くシナリオにあらわされていたと思います。
ぱぷりか
シナリオ『K』

1週末の大通り(夜)
 
 一匹の黒猫が威風堂々と歩いている。
子供「わあ、悪魔の使者が来たぞ!」
子供2「真っ黒だ、気色悪い色。呪われるぞ!」 
 黒猫に向かって石を投げる子供。黒猫は全く動じずに歩き続ける。
 そんな黒猫を、不意に抱き上げる腕。
絵描き「今晩は、素敵なおチビさん。僕らよく似ている」
 黒猫は咄嗟に絵描きを引っ掻いて逃げる
絵描き「ちょっと、待って。おチビさん!」
 黒猫はひたすら逃げる。だが絵描きはどこまでも付いてきた。
絵描き「僕は君を嫌ったりしないよ。綺麗な黒色だね。ほら、おいで」
 黒猫の目には涙が浮かんだ。

2絵描きの部屋(冬)

 二年後の冬。黒猫と絵描きが一緒に暮らす部屋。
 ほとんど物がない部屋で絵描きは黒猫を描いている。
絵描き「ねえ、ホーリーナイト。君の名前、すごくいいと思わない?聖なる夜って意味だよ。」
 黒猫は嬉しそうににゃあ、と鳴いて絵描きに甘える。
 ところがある日、あまりに生活が貧しいために、絵描きが倒れる。
絵描き「ホーリーナイト。お願いだ。走って、この手紙を届けてくれ。夢を見て飛び出した僕の帰りを待つ恋人がいるんだ」
 黒猫は手紙を受け取り、走り出す。

3雪の降る山道

 黒猫は走る。手紙を銜えて、走る。
 いつかの子供たちがいた。
子供「見ろよ!悪魔の使者だ!」
子供2「悪魔の使者め!石を投げてやる!」
 黒猫は走り続ける。石が体に当たっても、走り続ける。
 ホーリーナイト、そう呼ぶ絵描きの顔が脳裏に浮かんだ。

4絵描きの故郷

 黒猫は絵描きの故郷に辿り着く。
 すでに体は満身創痍だった。
村人「真っ黒な猫がいるぞ!」
村人2「ああ、なんて不幸な色!この村から出て行け!」
 村人たちは黒猫に暴力をふるう。
 それでも黒猫は負けない。手足を引きずりながら、なお走る。
 やっと黒猫は恋人の家を見つける。
恋人「あら・・・?どうしたの、黒猫さん」
 手紙を恋人に渡すと、黒猫はぱたりと倒れた。
 恋人は手紙を読み終わると、涙を流しながら、黒猫を抱きしめた。
 黒猫はもう、動かなくなっている。
恋人「ああ、ありがとう。あの人の最後の想いを届けてくれて・・・」
 恋人は黒猫を庭に埋めてやった。
恋人「ホーリーナイト。あなたに『K』をあげましょう。聖なる騎士のあなたに。」
 墓石に浮かぶ「holy knight」の文字が月に照らされきらりと光った。
シナリオの形式になっている=62
見える・聞こえる=52
感動した=50
得点合計=164
::黒猫の勇敢な行動に感動した。
::大好きです!
::元の曲を知っているので想像しやすかった。
::「K」の意味が分かった時感動した。黒猫の想いが伝わってきた。
::ちゃんとシナリオ形式になっていて、また内容もよくできていておもしろかったです。
::一番シナリオらしい作品だった。起承転結がしっかりしていて良かった。
カプチーノ「友達想い」を元にしたシナリオ

1.教室で…(昼休み)

桜の花びらが舞い散る4月 春の風が吹き渡る教室の後ろの席に1人の少年が座っている。
少年 「はぁ〜。今日もクラスの友達に喋りかけることができなかった…。
いつになったら新しいクラスに馴染めるのだろう。だけど、僕人見知りだし、自分から話しかけるのなんてとても…。」

少年が困った顔でうつむいている時、1人の男の子が突然喋りかけてきた。

男の子 「ヨォ!なんや、1人ぼっちかい、君?」
少年 (なんだこの人は…。いきなり失礼なこと言って)
男の子 「なんか言うて〜な〜。無視されるとツライやん。
君確かノブオ君やろ?」
ノブオ 「う、うん。そうだけど、どうして僕の名前を知ってるの?
まだ新しいクラスになって1週間しかたってないのに…。」
男の子 「クラスの子の名前覚えるのん、当たり前やん。もうみんなの名前言えるで。」
ノブオ (す、すごい。僕なんてまだ顔も覚えてないのに。)
男の子 「あ、その顔はオレのこと知らんな?
オレはタカシ言うねん。よろしく。」
ノブオ 「う、うん。よろしく。」
タカシ 「なんや、口数少ないやっちゃなー。もっと喋らなおもろないやん。
もしかして自分人見知りなん?
そうかー。そんならオレがどんどん喋りかけたるわー。」
ノブオ (まだ何も言ってないのに…。
でもこの人おもしろいな〜。この人となら仲良くなれそうだ。)

少しとめどない話をしてるとチャイムがなる

タカシ 「ほんなら、また後で。」

そう言いつつタカシは席に戻っていく


2.放課後(夕方)

先生 「では、さようなら」
生徒 『さようならー』
ノブオ 「さて、今日も早く帰ろう。」
タカシ 「ノブオ君、ノブオ君ー。
一緒に帰ろうやー。
以外と家近いこと分かったんやし。」
ノブオ 「そ、そうだね。一緒に帰ろう。」
    (こんなの初めてだな。何を話そう…)

そして学校の門をでる

ノブオ 「タカシ君はクラスのムードメーカーみたいだね。
今日も色々とおもしろいことを言ってみんなを笑かせていたしね。」

タカシは笑う

タカシ 「おお、ホンマか〜。そら、うれしいわー。オレ、人を笑顔にすることが生きがいやからなー。」
ノブオ 「そうなんだ。どうして?」
タカシ 「オレな、小さい頃に大好きなおじいちゃんが亡くなってな。その日から誰ともしゃべらんで、ふさぎこんでしまったんや。 
そんな時オレを笑顔にさせてくれたのがクラスの友達やってん。
それで気づいたことがあるねん。
それは『友達を想う大切さ』や
そこからオレも誰かを笑顔にさせたいと思い始めたんや。」

目を見開き、驚いた表情でタカシを見つめる
そんな2人の間に桜の花びらが舞い落ちる

ノブオ 「そんなことがあったんだ。
その友達はタカシ君にとって人生の宝物なんだね。」
タカシ 「なに上手いこと言ってるねん、自分。
でも、そうかもしれんな…。」

互いにはにかみ、また歩き出す


3.15年後(そしてその後)

スーツを着たノブオが教壇に立っている。

ノブオ 「・・・、以上が僕が子供の頃に深く心に残った話や」
子供A 「先生はその人とまだ友達なの?」

子供が真っすぐな瞳できいてくる

ノブオ 「もちろんや。今も芸人になってみんなを笑顔にしてるで。」
子供B 「先生はその頃に比べて変わったの?」
ノブオ 「そやなぁ。今は普通に人と喋れるし、おもろいことも言えるようになったしな。
これも、タカシ君のおかげやな。」

間髪入れずに
子供C 「先生がおもしろいこと言うのたまにやん。」

教室が笑いで包まれる

ノブオ 「いいか、僕がみんなに言いたいのは友達は大切ってことや。
友達がいれば学校も楽しくなるし、苦しいことも乗り越えられる。
友達を想うことで自分も助けられることがある。
だから友達を大切にしよう。
だって、友達は人生の宝物なんだから…。」

窓の外では桜の花びらが散っている




シナリオの形式になっている=61
見える・聞こえる=55
感動した=43
得点合計=159
おはよウナギ「上京」と言う言葉の響きがいいという理由を称して、本心は心機一転した新しい生活を待ち望んでいた大峯絵美にとって、ついに実行に移せる大学入試の季節がやって来た。
第一志望はもちろん東京の大学。地元の地方大進学が主流の中で、絵美は自分の信念を貫き通した。そして、その結果は・・・


1.歓喜と寂しさ

「私は東京で生きていく―」
 心を揺さぶる期待の鼓動が、絵美を突き動かし続けた。
 同時に、不安の渦が絵美を飲み込もうとしていたのも事実である。
 そして迎えた、運命の日。

絵美:「11・・・あっ、あった!私が、と、とう、東京に、東京で・・・」
母 :「ちょっと落ち着いて!気が動転すんのもわかるけど・・・せやけど絵美、ホンマにおめでとう!ついに関西から脱出やで。」
絵美:「うん。ウチが東京に・・・信じられへんわ、ありえへんわ、どうしょう!頭の中パニック状態や」
母 :「そのままで東京行ったらアホ丸出しやで。もっとしっかりしいや、わかってる?」
絵美:「はいはい。いよいよ関西脱出まであともうちょいやな」

ベッドに倒れこみ、改めて東京暮らしへの喜びをかみ締める絵美。
そうした非現実的な事柄を実感した後の人間は、より現実的な考えに理性が働き出す。

絵美:「東京・・・今思ったら、あたりまえやけど、みんなに会えやんのちゃうの?そうやんな・・・東京行きって、そうなるよな・・・」

 今まで、心機一転した生活を望み、「当たり前の生活」から解放されるための願いとして東京暮らしのチケットを手にしたわけだが、
自分にとってのホームグラウンドである関西を去る不安と言うものを実感しなかった。
 東京行きが一種の「麻酔」として絵美の心を支配して、関西から離れることの寂しさという「痛み」を消し去っていた。

2.関西脱出当日、その@

「私は東京で生きていく―」あの勢いが失速し、今は関西を離れることへの不安が絵美を覆いかぶさっている。
 心を揺さぶる期待の鼓動は、弱弱しい。

絵美:「もうやって来たか・・・なんか、早いな。受験番号ネットで見たときが懐かしいわ。あん時、ウチは若かったなぁ」
母 :「なに言ってんよ。あん時も今も、あんたは一緒の人間です。はい、これで、絵美のお世話係の任務は終了!あとは自分でなんとかしいや。」
父 :「俺も、絵美の執事じゃなくなるわ。ご主人様、どうぞご自由に生きてくださいませ。」
絵美:「何なん?気色悪いし、何かリズム崩れるわぁ・・・けど、今までありがとう。
   正直、東京行くことで頭いっぱいになってて、こっから離れることの不安や寂しさなんか1ミリも感じへんだけど、今になってちょっと怖なってきた。
   けど、こうさしてくれたんは二人のおかげやから、ここで東京行きやめたら勘定あわんくなるから行ってくるわ。」
母 :「当分見せへん『関西人』の考えやな」
父 :「気ぃつけてな、ご・主・人・様」
絵美:「もうやめて〜や」

 今まで、何気なく過ごしてきた18年の人生。ここまでを振り返ってみると、自分はどうしてこの家族の一員になのだろうか、と一度も考えたことがなかった。
それは、絵美にとって「必然」であったのかもしれない。あの家族だからこそ、東京行きという希望が生まれ、そして、実際に暮らすことができるのだ。

絵美「お父さんとお母さんの為にも、なんとかやっていかなアカンな」

覆いかぶさる不安の間から、わずかに光が見え始める。絵美がずっと持っていた、東京暮らしへの「憧れ・期待」だった。
その原点に立ち返った絵美の、自分史の1ページに、新たな記録が刻み込まれることになる。「関西脱出成功」と―。

3.関西脱出当日、そのA

「私は東京で生きていく―」上下を繰り返す気分の波は、収まりつつある。
 自分にとっての「東京」とは、「光」であるということに気づいたからかもしれない。

絵美:「今更やけど、もっとみんなにあいさつしとけばよかったなぁ。『ウチ、東京行くねん。めっちゃすごいやろ!』って。これやったら、ちょっと嫌味っぽいかなぁ」

いろいろ考えた末に、メール送信することにした。

絵美:「今日、関西から脱出します^^ 行先は東京です!今までお世話になりました。また、時間と余裕があればこっちに来て下さいね。
   アホ面してるあなたたちを、洗練された私がお出迎えしますので(笑)冗談、冗談! ホンマに心待ちにしてます、今までありがとう!!」

 案の定、反響が有ったようで、色んな人から返事が返ってきた。

友人A:「アホ面ってなんやねん!まあ、元気で過ごしてな。応援してるから。」
友人B:「こちらこそ、『東京かぶれ』した気味の悪い標準語を使うあなたをお出迎えします(笑)」

 その中で、特に絵美の心にずしっときたのは「愛方」の絵梨香のメールだった。

絵梨香:「もう東京に行ってまうねんやなぁ・・・絵美とはホンマにアホばっかして楽しかったわ。
 ウチと絵美の名前に使われてる字って絵やん。糸を結びつけて会う・・・しょ〜もない発想やけど、ウチと絵美はそんな感じでずっと一緒やった気がすんねん。
だから、その糸は絶対切らんようにしといてや!絶対やで!じゃあ、元気でな。ウチの愛方でおってくれてホンマにありがとうな。」

 今まで、人から感動させられることが苦手だった。明らかにお涙頂戴のドキュメンタリーや映画には心底うんざりしていた。
それなのにどうして・・・絵美の心を結ぶ絵梨香だったからこそ、彼女の気持ちが伝わってきたのだろう。絵美の頬を大粒の涙が流れ落ちる。

絵美:「絵梨香・・・ホンマにありがとう。絵梨香を結びつける糸は絶対切らへんようにするから、大丈夫やで」

それから、しばらくしてもう一回、「愛方」からメールが届いた。

絵梨香:「東京って『東京都』やんな。ってことは・・・『東の京都』に行くってことやろ?全然大した事ちゃうやん!!
    せやから、何も心配もいらんな。ただ、それだけ言いたかっただけやから、バイバイ〜」

 たったそれだけ・・・その言葉がどれほど絵美にとって心強かったか。絵美の向かう場所、「東京」。
「私は東京で生きていく―」その強い意志は「東の京都」で発揮し続けることであろう。


シナリオの形式になっている=57
見える・聞こえる=52
感動した=46
得点合計=155
パンナコッタ<学校から帰宅して>
私(教師)(はぁ。今日もホント疲れた。あの子たちには困ったなぁ。いくらなんでも勝手すぎる。)


<朝のホームルーム(回想)>
生徒A「うゎ。今日宿題あったんや。忘れてた。B君やってる!?ちょっと見せて。」
生徒B「う〜ん。わかった。先生にバレやんようにしてよ。」
生徒A「ほんまに!?ありがとう。めっちゃ助かる。すぐ写して返すわ。」
私「ちょっと何してんの?!」
生徒A「うゎ。堪忍して。」


<1時間目が終わるころ(回想)>
生徒C「はぁ。しんどかった。もう無理無理。寝坊してしまった。先生ごめ〜ん。」
私「遅れてきて、本当に悪いと思ってんの??」
生徒C「思ってる思ってる!!許して〜。」

私(本当にどうしようもない。でも、あの子はよかったなぁ。)

<昼休み(回想)>
生徒D「痛い。」
生徒E「どうしたの??うわ、すっごい血。」
生徒D「ちょっと転んじゃって。」
生徒E「保健室行こ?!一緒に行くから。」
生徒D「なんかごめん。ありがとう。」
生徒E「ううん。気にしないで!!」

私(優しくていいじゃん。)


<家でテレビをつけると・・・>
ニュースキャスター「深刻になりました。今年度の小学校6年生と中学2年生を対象にした全国学力調査の結果、国語と算数および数学の両方が過去最低の結果となりました。ここ数年子どもたちの学力低下が注目され続けてる中、文部科学省は・・・」
私(またこんなこと言ってるよ。数字の高い低いばっかり気にして、どうせ指摘した自分が目立ちたいだけやろ。はぁ、明日の全体集会で校長がまた何か言い出すんやろうなぁ。)


<次の日の朝の全体集会>
校長「えー、おはようございます。1年生から6年生のみなさんの中ですでに知っている人もいるかと思いますが、数か月前に実施された学力調査の結果、みなさんの学力が今までで1番低くなっていることがわかりました。この結果からみなさんにはもっと勉強に励んでもらえるよう・・・」


<その後教室にて>
生徒F「校長の話長いし疲れるよな。」
生徒G「ほんまに。俺らのことアホ扱いしやがって。でも、この前成績下がって、親にすっごい怒られた。」
生徒F「ほんまに!?俺も下がってたけど、怒られはしやんかったで。」
生徒G「えー、いいなぁ。」
私(みんな案外気にしてるんや。ちょっと励ましたろ。)
 「早く席についてください。校長先生の話聞いてから、勉強のこと気にしてる人もいるみたいやけど、たった1回の結果で良い悪いは決められやんし、まじめにがんばってたら、とりあえずはいいから。なんとかなるもんやし、これからがんばったらいいんやで!!わかった!?」
生徒みんな「はーい。」
生徒H「あ、先生。今日宿題忘れてしまったんやけど、明日きちんと出すから許して。」
私「えー、もう、今日だけやで。」
生徒A「先生、俺も忘れた。明日出すから許して〜。」
私「ちょっと待て。昨日B君の写してたし、2日連続の宿題忘れ扱いや。今日放課後居残ってやりなさい!!」
生徒A「え〜、なんで俺だけ?!むっちゃめんどいやん。」
私「当然や!!ちゃんとまじめにやって帰りなさい!!」
生徒A「はぁ、早く帰りたい〜。」

私(ったく、なかなかちゃんとやらんのやから。まぁ、でも、みんなほんまに素直やし、いいとこいっぱいあるから心配いらんな。長い目で見てやらんとな!!)

<1時間目開始>
私「じゃあ、算数の教科書出してください。新しいとこやっていきます。」

私(この子たちがどうなるんか楽しみやなぁ・・・。)
シナリオの形式になっている=60
見える・聞こえる=53
感動した=42
得点合計=155
::生徒のことを思う気持ちがことばとして口から出ずに、心の中でとどめている先生の姿が想像できて、成長を実感できるいい先生だと思いました。
青二才手紙〜拝啓十五の君へ〜

T


洋介「ついに今日でこの部屋ともお別れかぁ…。」
部屋を見渡し、部屋の整理をする。
洋介「ほぼ片づけは終わったけど…。」
机を見つめる。
洋介「問題はこの引き出しなんだよなぁ。」
深いため息をつき、一番上の引き出しから整理し始める。
洋介「うわ、懐かしー!」
クラス写真、寄せ書き、合格通知などが次々と出てくる。
そして、一通の古びた封筒が出てくる。
洋介「んん、これって、何だっけ?」
ためらわず、封を開ける。
そして、大きな声で叫ぶ。
洋介「これって、もしかして…!!!」





U

監督「高田!もっと走らんかい!」
監督は洋介に向かって、これでもかというぐらい怒鳴りつける。
洋介「は、はい!」
フラフラと洋介は走る。しかし、徐々にスピードが遅くなってくる。
監督「何をしているんだ、高田!!!」
洋介は倒れる。


(ここからは洋介のナレーター)
洋介「俺は小1から野球を始めた。地元の村では、神童と呼ばれるほどで、将来は阪神タイガースを引っ張っていく逸材だとまで崇め奉られた。調子に乗った俺は、有名な甲子園常連校の高校を受験し、見事合格した。しかし、俺の夢はあっさりと崩れ落ちることとなった。」



(以下、元に戻る)
洋介「辞めたい…」
ふと、机にあったペンで、一心不乱に紙に書く。

『拝啓この手紙 読んでいるあなたは どこで何をしているのだろう
十五の僕には誰にも話せない 悩みの種があるのです
今 負けそうで泣きそうで 消えてしまいそうな僕は 
誰の言葉を信じ歩けばいいの?』



V


洋介「こんなときがあったとはな…。」
しんみりと思いでに浸る。
そして、手紙を書く。

「荒れた青春の海は厳しいけれど 明日の岸辺へと夢の船よ進め」
シナリオの形式になっている=54
見える・聞こえる=56
感動した=45
得点合計=155
わんわんおシナリオ『ガーネット』
1 部屋(現在)
段ボールに囲まれ、フローリングに座り込んでいる女。
カーテンの隙間から外の光が差し込み、部屋を明るく照らす。
手元にはアルバム。その中の一枚を手に取り、女は懐かしそうに眺めている。


2 昼休みの教室(回想)
ワーワーとにぎやかな声がグラウンドから聞こえる。
教室後ろから三番目の、窓際の席。
机の上に広がっている弁当箱を片付け、次の授業ノートと筆箱を取り出す少女。
ノートを広げると同時に、机に落ちた影を見て顔を上げる。
友人A「楽しそうだねぇ・・・」
友人B「よくあんな走れるねー、次体育あるのに」
「・・・そうだねー」
とりとめもない話をする友人たち。その目線の先を追って、佳奈もグラウンドを眺めた。
窓のすぐそばにある木の葉がさわさわと揺れる。セミの鳴き声が一瞬止む。
友人A「うわ、見て、大島の奴すごいよっ・・・」
唐突に飛び出た名前に佳奈は微かに肩を揺らす。
グラウンドでは数人の男子が楽しそうにサッカーをして走り回っている。
やけに明るく見えるグラウンドにその姿を見つけ、微笑む佳奈。
少年(=大島雄太)がゴールを決め、佳奈と友人ABに気づく。
佳奈たちにむかって手をふる。
友人B「かっこいいね・・・」
手を振り返そうとした佳奈の手が不自然なところで止まる。
少年から目線を外し、ノートを見つめる佳奈。
ペンを握る佳奈の手が、少し白くなった。

3 教室(放課後)
夕陽がさしこむ教室で佳奈は一人本を読んでいる。
時計の針は午後5時を指すところ。
ため息をつきながら本を閉じ、帰り支度をはじめようとした時、扉が開いた。
雄太「・・・あ、れ??」
雄太の目線の先には驚いた表情の佳奈。
つかつかと佳奈に歩み寄る。
雄太「上田じゃん。何やってんの??」
佳奈「・・・え、・・・あ、陽子待ってて」
雄太「・・・・ふーん・・・」
佳奈の手元にある本をとる雄太。
雄太「本読んでたの?」
佳奈「うん。この本面白いよ?」
雄太「まじで?俺そーいうの分かんなくてさ。本読みたいなーとは思うんだけど、何読んでいいか分かんないんだよね。」
佳奈「今までにはどんなの読んだの?」
雄太「えー?えっと、・・・」
雄太の挙げる作家名に反応していく佳奈。
教室には楽しそうな二人の話し声が響いていた。

4 下駄箱(終業式)
雄太「いきなりごめん。俺、上田のこと好きだ」
雄太の言葉に驚く佳奈。
佳奈「え・・・・」
うつむく佳奈。
鞄をもつ手が震える。
雄太「ずっと、・・好きだったんだ」
佳奈「・・・・・こ、まるよ・・・」
雄太「・・え?・・・」
佳奈「・・・・ごめん、あたし、・・・ごめん・・・・・・」
佳奈はただそれだけを繰り返す。

5 夏休み明け教室
友人B「でねでねー、雄太ってばすごいの」
楽しそうに夏休み中の出来事を語る友人B。
佳奈は必死に笑顔をつくっている。
雄太はグラウンドでサッカーをしている。
さわさわとセミの鳴き声が大きくなった。

6 佳奈の部屋
佳奈「馬鹿・・・・あたしの・・・・馬鹿・・・・・」
佳奈は一人枕に顔を押し付けて泣いていた。
佳奈の手の中には携帯電話。
メールの画面がうつし出されている。
『今日はいきなりごめん。でも、俺、ほんとに上田のこと好きだから言った。後悔はしてない・・・・』
その先は読めない。
静かに携帯電話を閉じた。

7 部屋(現在)
女「馬鹿だったなーあたし。」
部屋には風が吹き、女は写真を床に置いた。
女「ふぅ・・・・」
高校卒業の時にとった写真には、
佳奈を横目で見つめる雄太と、雄太を気にする佳奈が写っていた。

シナリオの形式になっている=60
見える・聞こえる=53
感動した=41
得点合計=154
:: ちゃんとシナリオの形になっていた。
::私もすごく好きな曲で、、 歌詞とシナリオがうまくあってて 良いと思いました。
::青春だなぁって思いました。
のこのこ「同じ窓から見てた空」


俺たちが集まったのは約十年ぶりだった。
 小学校からずっと一緒だった俺たち四人は、高校卒業を機に四人全員揃うことはなくなった。仲違いをしたとかじゃなく、ただなんとなく。それぞれの生活が出来て、それぞれの道を選んだから。地元に残ったのは、酒屋を継いだフクちゃんだけだった。それでも、盆や正月には地元に何人かが集まったし、時々連絡も入れあっていた。四人の仲はそれで十分だった。
 だけど、十年ぶりに四人全員が地元に揃った。
 ブンの母親が死んだからだ。胃がんだったらしい。ドラマのような長い闘病生活を送ることはなく、寝てる間に戻した吐瀉物が気管に入ったことによる窒息死だった。ブンは、まったく俺の母ちゃんらしいわ、と笑った。
「それにしても、ほんまによかったんか。手伝わんくて。」
グッチがブンを見る。
「うん。親父がええって言うんや。ええんやろ。」
故人との別れの儀式を一通り終えた後、俺たちはブンの父親に、「せっかくお前ら揃ったんや。こんなしんみりしてる場所やなくてどっかブラブラして来い。」と送り出されたのだ。
「せやけど、こんなクソ暑い真夏の夜中に、そこ行けっちゅうねん。田舎はなんもないで。山ばっかりや。」
「空気食っとけばええんちゃうか。」
「じゃあ俺んとこの酒取んに行こうや。ほんで、小学校でも行かんか。」
毒づく俺らに、フクちゃんが笑う。
「グラウンドやったら入ってもええやろ。」


 子どものときだったら恐怖も感じただろう夜の小学校は、今や懐かしさしか感じなかった。一つも明かりの付いてないずらりと並ぶ窓。そこに人影が映るんじゃないかとか、そんなことを想像する歳でもない。
「なんも変わっとらんなぁ。重要文化財かなんかか、ここは。」
ブンが落ち着きなくキョロキョロする。冗談を言いつつも、たぶん嬉しかったのだ。それは俺たちも一緒で、記憶と少しも変わらない母校の姿に、ゆるゆる、ゆるゆる、心がほどけていくようだった。
 まばらに芝の生えるグラウンドで、缶ビールの入ったビニール袋を囲んで俺たちは座り込んだ。服に土が付くことも気にならなかった。そういえば、いつから服が汚れることを気にするようになったんだろう。
「覚えとるか。俺ら、よく体育館の屋根に上ってたやろ。」
「ああ。小学校でキャンプする時とか、夜あっこから星見たわ。」
「あっこな、ハシゴ撤去されてもうて、もう上られへんようになってん。」
「えーっ、ほんまかい。」
「あっこ上んのが小学生の楽しみやったやろ。」
「危ないからってな、ハシゴどっか行ってん。な、ほんま焦るやろ。何やっとんって。」
缶ビール片手に、知らされる母校の変化に嘆く。大の男四人で。
「そういやな、俺、家で飲むときは缶から直接ビール飲むの嫌やねん。独特の味する感じして。せやけど、外で飲むんやったら平気なんなんでやろな。」
「知らんわ。お前の味覚なんかこっちは興味ないねん。」
大したオチも期待できないような話を繰り返し繰り返し。それでも途切れることのない笑い声と、変わらない話し言葉が、ふわふわ、ふわふわ、俺たちをどこかへと連れて行く。
 たぶん、きっと、遠い記憶の中へ。


中学三年生のとき、受験から逃れたくて、四人でありったけのお金を持って、自転車で出来るだけ遠くへ行こうと計画を立てた。ありがちな計画にわくわくして、無計画さも怖くなくて。みんなでいればなんだって出来るような気がしていた。見たことのない長い長い下り坂を、歓声をあげながら自転車で下る。俺たちを止めるものなど何もなかった。
もしかしたら、俺たちは受験から逃れたかったわけじゃなく、何かを追い求めていたのかもしれない。その夢中で追い求めていたものこそが、青春だったんじゃないだろうか。

 高校三年生のとき、グッチに好きな子が出来た。受験の息抜きをしよう、とその子が属する女子グループを花火に誘った。けれどその日、その子は左手薬指に指輪を付けて来ていて、花火をしている間ずっと、薬指がキラキラするのが耐えられなくて、まだ火のついている花火をバケツの中に突っ込んだりした。花火はバケツの中でジュッと音をたてて消えた。
 その日は、四人でグッチの家で朝まで笑って、そして、少しだけ泣いた。


 現在、四人揃って小学校のグラウンドで寝そべっている。
「なんや最近大人になったような気すんねん。」
フクちゃんが大きく息を吐き出しながら言った。
「いや、大人やろ。」
「うん、いや、まあ、そうなんやけどな。」
口ごもって、フクちゃんの手のひらがザザッと砂混じりの土をなぜる。
「本当に大切なもんって何か、考えてまうねん。」
それがなんか嫌や。
夜風が俺たちの火照った頬をなぜた。ビニール袋がガサガサッと音をたてる。
「まじめか。」
グッチがよっこらしょっと起き上がる。おっさんか。
「うおっ、ビールめっちゃ温くなっとる。地面の熱のせいやわ。」
まずそうにしながらも、グッチは温くなった缶ビールを一気に飲み干した。グッチの背中に土がいっぱい付いているのを見つける。俺たちも起き上がると土がいっぱい付いているんだろう。
 ブンが寝そべったまま両腕を真上に突き上げた。両手が空を切る。
「何やっとん。」
「いや、星が遠いなと思って。」
体育館の屋根から見たときは、もっと近いと思ってたんやけどな。
空に両腕を伸ばすのをあきらめたのか、ブンの両腕は体の横にだらんと落ちる。
「まあ、屋根の高さ大体二十メートルぐらいやろ。その差はあるんちゃうか。」
フクちゃんが小さく言ったが、たぶんみんなそういうことではないことを理解していた。


俺たちは今日まで秘密なく、何だって話してきたはずだ。
俺たちは今日、言いたいことがあったはずだ。

ブン、どうして母親の病気のことを教えてくれなかったんだ。母親ががんだと知らされたときの気持ちを、やわらげることぐらいなら、きっと出来た。
ブン、どうして。なんで、なんで、なんで。

俺たちは今日まで秘密なく、何だって話してきたはずだけれど、どうしてか、どうしてか、何も聴けなかった。


酒で熱くなっていた頬がすっかり冷めるまで、俺たちはただこぼれそうな星空を見上げていた。誰かが鼻をすすった気がしたが、それが誰なのか、本当に鼻をすすっていたのかすら分からない。
ふいにグッチが重そうに腰をあげて、土をはらう。
「じゃあ、俺帰るわ。明日も仕事やから。」
「ああ。俺もそろそろ親父手伝いに行くわ。みんな来てくれてありがとな。」
ブンもぱたぱたと土をはらい始める。
「お前どうすんの。俺車で来てんねんけど、駅まで送ったろか。」
もう土が付いてないか雑に確認しながら、グッチが俺に聞いた。
そろそろ、俺も立ち上がらなければならない。
フクちゃんのよっこらしょ、と言う声が聞こえた。
「うん、いや、ええわ。駅まですぐやし、歩いて行くわ。」
小学校から駅までは歩いて一時間かかる。でも誰も何も言わなかった。グッチが、そうか、と言っただけだった。
 外国人のように別れを惜しんで抱きしめあうこともなく、涙ぐむわけでもなく、じゃあな、という一言で、四人は別々の方向へ歩き始めた。子どものときは、お互いが見えなくなるまで何度も何度も振り返ったりして、その度別れの言葉を口にして、見送りあった。
 振り返ろうかと思った。
 でも思いとどまって、前を向く。たぶん、誰も振り向かなかった。
 俺は、改札すらない無人駅を目指す。故郷を後にするために。今の自分の生活へ戻るために。
 でも、またいつか帰る。帰るよ。
「元気で。」

元気で。
シナリオの形式になっている=47
見える・聞こえる=54
感動した=51
得点合計=152
::この文章の雰囲気がとても好きです。 私にも小学校からの幼馴染が2人います。 高校卒業と同時にそれぞれの道に進み始めて、なかなか会えないかもしれないけど、会ったときはたくさんの思い出話をして笑いあえるやろな〜ってこの文章を読みながら思いました。
ひょっとこ自分の担任するクラスの歌詞

1 一軒の居酒屋にて

明「なぁ、ちょっと集まり悪くないか?男二人とか・・・」
勝也「そう言うなよ。みんなそれなりに忙しいんやから。」
明「わかっとうけど、せっかく飲むなら大勢でワイワイしたいやん」
勝也「そうやけど・・・あっ!そういえば健二と美幸ちゃん、今度結婚するらしいな。」
明「えっ、そうなん!?まぁ、あの二人は高二の時からずーっと一緒やもんな。いい夫婦になるんやろな。」
勝也「ホンマになぁ〜。」
明「そういや、健二の告白覚えとうか?」
勝也「ああ、あれね・・・」

2 回想(高二の文化祭)

司会「さぁ、我が校の名物『大声コンテスト』もそろそろ終盤に差し掛かってきました。それでは、次の方どうぞ!」
健二「二年一組、大山健二です。普段は勇気が出ないからこの場を借りて言います。」
健二「美幸ちゃん、好きだぁぁぁー!!」
会場「・・・ヒュー!!」

3 居酒屋に戻って

勝也「あれで、成功すんのがすごいよな!」
明「まぁ、さすが健二ってとこやかな」
勝也「そーいや、二年一組言うたらクラスの歌あったよな?」
明「あった、あった!先生作ったダサいやつやろ?テンテテンテテーン♪ってやつ。」
勝也「そうそう!まぁ、明、音外しとうけど。」
明「そこはほっといてや!音痴なのはしゃーないって!でもあれ、ダサいけど何かよかったよな。」
勝也「せやな、俺らだけのもんって感じがよかったな。」
明「うんうん。そんな話してたら二の一が懐かしくなってきたわ。」
勝也「ホンマになぁ、あのクラスが俺の歴代のクラスで一番やわ。」
明「俺もや!あの歌にもあったように、あいつらと同じクラスで良かったと心から思うしな。」
勝也「ああ、俺もやわ。そういや、こんなことも・・・」

4 時間が過ぎて・・・

明「うわっ!もうこんな時間か!電車やばいな。」
勝也「うわっ!ホンマや!思い出話しとったらすぐ時間過ぎたな。」
明「今度は二の一のやつらで飲みたいな・・・勝也、連絡よろしく!」
勝也「また俺か!!ったく、しゃーないな。」
明「それじゃ、俺、駅むこうやから。また今度な!」
勝也「おう!また今度な!」
シナリオの形式になっている=58
見える・聞こえる=52
感動した=41
得点合計=151
::設定が独特で、とてもよかったです。そんな発想力がうらやましくなりました。
::ちゃんとシナリオっぽくなっていたし、 内容が現実にもありそうでよかったです。
SHINシナリオ「TOKYO」

1、 自分の部屋(早朝)
  ある人(Yさん)が上京する日の朝。
Y:「今日でこの部屋ともお別れやなぁ…。」
  荷物を持ち部屋を後にした。
  写真は全部部屋に置いたままだった。

2、 バス(朝)
携帯を取り出して、メールの作成ページを開いた。
『おはよ。
今日東京に行くんや。
ほな。元気でな。』
  友達宛にメールを送った。

3、 駅のホーム(朝)
友達からの返信はなかった
Y:「朝早いし、仕方ないか・・・。」
  携帯に手を伸ばし、友達の電話番号を探す。
 TRRRR….TRRRR….  『ブッ』・・・
Y:「ははっ、今更電話して何話すねん・・・。」
  静かに携帯を閉じ、電車に乗り込んだ。
  古いギターを一本抱えて・・・。

4、 回想(ギターをくれた人(A)と)
A:「これ、お前にやるわ。上京の餞別や。」
  そう言って、ギターを手渡された。
Y:「ありがとうございます。大事にします。
あの、東京ってどんなとこですか。」
A:「う〜ん。…怖いとこ・・・かな。」
  少しの間が心に残った。
Y:「・・・・・。」

5、 電車の中(朝)
電車に揺られながらいろんなことを思い出していた。
Y:「あいつら寂しがってんのかな・・・。
  今年も皆でいろんなあほなことするんかな・・・。
  今頃皆起きた頃やろな・・・。
  みんな・・・」
  いつの間にか目には涙がにじんでいた。
Y:「あほや、俺。
  友達じゃなくて、夢選んでしもた・・・。
  自分の夢選んでしもた・・・。」
  一筋の涙が頬をつたって落ちた。

6、 電車の中(夕方)
泣いた後の目は、少し腫れていた。
Y:「今更悔やんでもしゃーないよな。
  自分で選んだんやもんな・・・。」
  自分に言い聞かせるようにそう呟いた。
  窓の外は、いつの間にか
  夕焼けがビルを照らしていた・・・。
シナリオの形式になっている=56
見える・聞こえる=49
感動した=43
得点合計=148
まめ電球
1.グランドにこだまする生徒たちの声、一心に走り回るその様子を、静まりかえった教室から眺める、一人の男がいた。
男は、黒板をキレイに消すと、そこに新たな文字を書いた。
終えると、椅子と机が行儀良く並んだ、少し狭い教室を教卓の上からしばらく眺め、教室をあとにした。
2.「今日から3日間、先生の替わりにこのクラスを担任していただくことになった、山下先生だ。みんな言うことを聞くんだぞ。」
  担任がそう言って。紹介した先生は、見た目からいかつい、極道のような先生だった。
  その先生が自己紹介の後に発した一言にクラスは凍り付いた。
3.「このクラスは、最低なクラスだ。」
  生徒たちは何が起こったか分からない様子で、担任の顔を見つめた。しかし、担任
  は、全てを任せたという面持ちで、教室を去った。
  しばらくして、一人が恐る恐る言った。
  「先生に何が分かるんですか。」
  極道先生はその質問には答えず、こう訊いた。
  「じゃあ、お前。このクラスの誇れる所を言ってみろ。」
  「それは・・・。みんな仲良いところだよ!な?」
  数人が、「ああ」「そうだ」と共鳴した。
  「お前の言う、『みんな』はこいつらだけか?」
  黙り込んだ生徒に、極道先生は続ける。
  「全員、隣を見てみろ。そこにいるやつの好きな教科は何だ?嫌いな食べ物は?得意
  なスポーツは?知ってるんだろうな?」
  教室は静まりかえる。
  「今日の授業は中止だ。全員隣の席のやつのこと、何を訊かれても答えられるように 
  しとけ。明日までの宿題だ。」
  そう言って、教室を出て行った。
  しばらく生徒たちは前方をぼんやり眺めていた。そして、お互いに顔を見合わせ、
  少しずつ、教室がざわつき始めた。
  いきなり投げかけられた唐突な課題に困惑し、疑問を抱き、悩んでいた。
  しかし、極道先生の威圧感に圧され、一人は「なんでこいつなんかの事知らなきゃいけないんだよ。」と愚痴をこぼしつつ、もう一人は「ごめん、僕なんかどうでもいいのにね。」と呟きつつ、課題を解決するため、話し始めたのだった。
4.「もう一度言う、このクラスは、最低なクラスだ。」
  翌日のホームルームで、極道先生は言った。
  「お前ら、宿題はやったか?」
  反応のないクラスに、極道先生は訊く。
  「お前は?」
  頷く。
  「そこのお前は?」
  同様に頷く。
  「一応はやってきたようだな。」
  極道先生はすぐに続ける。
  「ようし、今日の宿題を出すぞ。今日は8人だ。同じ事をは8人でやっておけ。」
  それだけ言って、教室を出て行った。
  生徒達は、近くで8人グループを作り、課題を始めた。
  要領は少し心得たようで、「めんどくさい」と言いつつ、話しを始めた。
5.「やっぱり、このクラスは、最低なクラスだ。」
  3日目のホームルームで極道先生は言った。今日が最終日だ。
  「今日の宿題を言うぞ。今日は、全員だ。全員で同じ事をやれ。以上だ。」
  もう誰も口答えする者はいなかった。
  言い終えて立ち去る先生が、もう戻って来ない事も知っていた。
  だが、誰も止める者はいなかった。今科された課題を解決することが最優先だと分かっていたからだ。
  そうして、全員で円を作って、話しを始めた。
6.次の日、生徒達が登校すると、黒板に大きな文字でこう書かれていた。
  その言葉の意味は生徒たち自身が一番良く分かっていた。
  「このクラスは、最高のクラスだ。」

シナリオの形式になっている=49
見える・聞こえる=52
感動した=47
得点合計=148
ブラックシナリオ『なごり雪』

1:幼いころ

1960年代、九州地方某所。
10歳くらいの男の子と6歳くらいの女の子が遊んでいる。
2人の家は隣同士で、いつも2人で遊んでいた。
さち「お兄ちゃん、みぃーつけた!」
真一「あーあ、みつかっちゃったか。じゃあ次はお兄ちゃんが鬼だね。
   いーち、にーい、…、じゅう。もう、いーかい?
あっ、さっちゃんみっけ!」
さち「あははー見つかっちゃった。お兄ちゃんすごいねー。」
真一「だろっ?でも、さっちゃんもすごいなあ。」
そういって、真一はさちの頭をなでた。
さちは恥ずかしくって顔を真っ赤にしてうつむいていたが、身長が高い真一にはそれが見えないままだった。
さちの淡い片思いは、ここから始まっていた。

2:二人の間
さちが中学を卒業するころ、真一はT高校から東京の大学へ進学した。
さちは少しでも真一に近づきたくて、彼はいなくなったT高校に進学した。
部活のこと、勉強のこと、学校の出来事等、さちと真一が毎週土曜日の夜に電話して話すのが、いつの間にか2人の中の約束となっていた。
さち「それでね、○○先生ったら」
真一「あはは。さちは、本当に妹みたいだな。」
(やっぱり、私はいつまでたっても妹でしかないんだ…。)
泣いていることがばれないように、声が震えているのがばれないように。
電話は表情が見えないから、本当に便利…。と、さちは思った。

3:大学
真一と一緒の大学に合格し、さちも晴れて東京へ上京した。
(これでまた、真一君と一緒に…。今度こそ、恋愛対象として見てもらえるように頑張らなきゃ…。)
そう思っていた。
しかし、ホームに迎えに来ていた真一の隣には見知らぬ女性がいた。
さち「あれ、お兄ちゃん。その人は?」
真一「彼女なんだ、可愛いだろ?」
真一が彼女に向かって、
「さちっていうんだ。幼馴染で妹みたいなものだから。」
と、さちには見せたことのない笑顔で話しているのを見て、さちの胸はまた痛んだ。


4卒業
さちが東京に来てから、4年がたった。
真一とは、兄と妹のままのような関係が続いていた。
さちは真一とその彼女と、夏は一緒に海へ行ったり、花火をしたり、ふざけた季節を過ごした。

卒業式前日、さちの部屋の電話が鳴る。
母「もしもし、さっちゃん。元気にしていた?
 お母さん、あなたに話があるの」
さち「話って?」
母「もうすぐ卒業でしょ?この前、実家に帰ってきた時にお見合いしたでしょ?結婚の話、相手はすごく喜んでいたのだけど、さちはどうかしら。」
さちは悩んだ。しかし、さちは決心する
(そうね、いっそ結婚して真一さんへの思いを断ち切れるのなら…)
さち「お母さん、私その話受けるわ。」

5:別れ
卒業式の後、ホームにさちは真一を呼び出した。
「あのね、真一君。わたし、田舎に帰って結婚することにしたの。」
「そう、なんだ…。」
さちが、いつでも隣にいるのが当たり前だと思っていた。
妹みたいだと思っていた。なのに、どうして、こんなに胸が痛いのだろう…。
(本当に、僕が本当に好きだったのは、さちだった)

君が何か言おうとしているのは分かっていた。
でも君のくちびるが「さようなら」と動くことが怖くて、「行くなよ」の一言が言えなくて、僕はただ下を向いていた。
幼いころからずっと隣にいることが当たり前だった君の横顔を改めてじっくりと見た。
去年よりずっと大人びて綺麗になった君の横顔、どうして今まで気づかなかったのだろう…。

君が去ったホームで僕は一人たたずんだ。
真一「今さら好きだと言えないよ…」
ずただ見送るしかない自分の後悔の気持ちのように
もう春だというのに、なごりを惜しむように最後の雪がホームに舞う。
シナリオの形式になっている=51
見える・聞こえる=50
感動した=47
得点合計=148
::切なかった!!
メモ帳『夏前コーヒー』

1過去

夏前のじっとりとした日のこと。
どこかの一部屋に男女が座っている。
時折笑いながら喋っている。
それはたわいもない会話で。
ふと、女は思い出したように立ち上がって男にこう聞いた。

女「ねえ、コーヒーでも淹れようか?」
男「え、あ、じゃあ。」
女「分かった。ちょっと待っててね。」

そうして女はキッチンへ消えた。
その場に残された男は部屋を見渡す。
目に映るものすべてが女の子らしく、男はその空間で一人浮いた雰囲気を醸し出していた。

風に揺れるレースのカーテンも、「お待たせ」と、目の前に置かれた湯気の立ち上る水玉模様のマグカップも、男には何だかこそばゆかった。

2現在

空気がじっとりと粘っている。
今年の夏も暑くなるのだろう。

あれから2年の年月を経た。
となりにもう君は座っていない。 
なのに風に揺れるカーテンも、湯気の立ち上るマグカップも君の面影を少しずつ辿らせる。あれからずいぶん経ったのに未だに思い出が至る所に張り付いている。
並んで座った時のことも手を伸ばせば届きそうなのに。
でもそれもだんだんぼやけていって、もういろいろと忘れてしまった。

ただ、コーヒーを淹れたら君の部屋の匂いがした気がした。

蒸し暑い日は君の面影を運んでくる。
それは永遠に触れられない君の姿。

眠って次に目覚めた時は、君のこと忘れられているんだろうか。
シナリオの形式になっている=48
見える・聞こえる=54
感動した=46
得点合計=148
::レミオロメン、僕も好きです。
スリーフラワー
「なごり雪」より


会話は殆どなかった。
音なんかで伝えようってのがそもそも僕には難しかったのかもしれない。
汽車を待つ君の横にいる僕が待つものは
汽車ではなく、君の声だった。
「東京で見る雪はこれが最後ね」
そんなことを言われた。そんな声を待ってたんじゃない。と、言いたかった。が、言えなかった。

「今年の雪はずっときれいだ。去年の冬は暖かかったから。」 この場をしのぐにはあまりにも効力が無さすぎる言葉が、無意識にでた。「そうだね」 当然の結果。
季節外れの雪はむしろ、僕に季節を忘れさせた。
「去年よりずっときれいになったのは君だろうよ。」 やっと思えた本音だったがそんなこと、言えるはず無かった。


とうとう汽車は到着した。乗り込むわけにもいかないから必死の笑顔で見送った。おそらく名残雪のおかげで、あふれる涙には気づかれていない。と思う。
汽車は動く。君は窓に張り付いた。僕に何か言おうとしている。僕は下を向いてしまった。「『さようなら』ってゆうんだろう?こんなにずっと一緒に居たんだ、わからないわけないでしょう。幼い頃はおにごっこでもいたずらでもなんだってした。秘密基地だって作った。君の事なんてなんだって…」

君がこんなにきれいになるだなんてことだけはわからなかった。顔を上げて見えたのはすでに、向かいのホームと、涙で滲みきった雪景色だった。

僕は君が去ったホームに少し残っていた。あるはずもない期待で胸がいっぱいだった。
「ほんとに大事なものって、いざ無くなってみると気づくもんだよね。」
そんな会話を思い出しながら。

すこしづつ雪は止み始めていた。





シナリオの形式になっている=44
見える・聞こえる=54
感動した=49
得点合計=147
::全米が泣いた。
::感動した!!
しろひげ車輪の唄


明け方の駅に向かって、君を後ろに乗せ僕は必死に自転車をこいだ。
「はあ・・はあ・・」
僕はもう汗だくだ。
「がんばれっ!もうちょっと、あと少し」
君が僕の後ろから楽しそうに言う。

明け方の町は静寂に包まれていた。
人一人誰もいない。
「まるで世界中に二人だけみたいだな」
僕はつぶやく。
「え?」
「いや、なんでもない」

そして坂を上りきった時僕たちは同時に言葉を失った。
目の前に広がるとても綺麗な朝焼けに。

今日君は旅立つ。
僕の手の届かない場所へ…
君との思い出が頭を巡る。
目の奥が熱くなる。

その時僕の目からふっと涙がこぼれた。
僕はその涙を君にばれないように必死に隠した。
だからあの時君の顔を見ることができなかったけど、君は笑っていたのかな?

電車の時間を気にする君。
「そろそろ行こっか」
君の顔を見ずに僕は言う。
「うん」
君が小さく頷いた。

駅に着き二人で電車を待つ。
電車なんて来るなと祈る僕。
でもそんな僕の気も知らず笑顔で話しかけてくる君。
少し腹が立った。
でも今なら分かる。
君も無理して笑ってたんだよな。

電車が来てドアが開いた。
”何万歩より距離のある一歩”を今君が踏み出す。

「約束だよ。必ずいつの日かまた会おう」
君は言った。
僕は応えられなかった。
そして君の顔を見ず俯いたまま手を振った。

ドアが閉まり電車が動き出す。
僕は気付いていた。
君が泣いていたことに。
だって君の声が震えていたから…

僕はすぐさま自転車に乗り君を乗せた電車を追いかけた。
このまま別れては悔いが残る…
僕は必死に自転車をこいだ。
そして電車に並ぶけどゆっくりと離されていく。

「約束だよ。必ずいつの日かまた会おう」
僕は離れていく君に見えるように大きく手を振った。

シナリオの形式になっている=42
見える・聞こえる=53
感動した=50
得点合計=145
::愛とはなにか、夢とはなにか。いろいろ考えさせられました。
::歌詞通りにシナリオができてたと思います。
のごろーPerfume 「ねぇ」

1.学校
朝のホームルーム前のざわつく教室。
登校してきたばかりの男子生徒が談笑している二人の女子生徒を見つけるなり駆け寄っていく。

遼平「かなちゃん、オハヨオッ!」
カナコ「おー、おはよう!」
遼平「・・・」
カナコ「何?」
遼平「いや・・・あのさ、週末って予定あるかな?」
カナコ「??部活も休みだし、ないよー」
遼平「あっ、ほんとにッ?よかった・・いや、前から言ってたこれ・・・」

鞄の中をがさごそと探る。

遼平「これさ・・・」

二枚のチケットを取り出し、視線をやや逸らしながら女子生徒の前に差し出す。

カナコ「わああああ!ぉおおお!」
女友達「あららー!やァ〜たまには気が利くネッ!ありがたく楽しんできます〜」

身を乗り出してきた女友達が二枚のチケットに指をかける。

遼平「悪霊退散!!」

サッと自分の後ろにチケットを隠す男子生徒。
友達の後ろでカナコはにこにこしている。

女友達「ちょっとマジウケルー。いいじゃん、どうせ拾ったんでしょ?」
遼平「拾うかッ懸賞で当たったんだよ・・。前々から、かなちゃんと話はしてたン・・、」
カナコ「ありがとォりょうへー!やったあ!!」
遼平「よかった喜んでくれて・・・」
カナコ「楽しみだねーッ!」
遼平「う、うんっ」

カナコは遼平の両手を取って大きく振りながら、満面の笑みを浮かべる。
そこへ女友達の彼氏が通りかかる。
それに気付いた友達はその腕にまとわりつく。

女友達「やああーんワタシ、彼氏くんとじゃなきゃ行きたくないンッ!」
彼氏「何のこっちゃい!」


2.バス停
待ち合わせ場所近くの信号横で会うカナコと遼平。

遼平「かなちゃん・・オハヨ・・・」

遼平は蒼白な顔で咳込みながら、作り笑いを浮かべている。

カナコ「ちょっとッ!どうしたの?!」
遼平「いや・・、昨日からちょっと体調悪くてさ・・」

遼平はおでこに伸ばそうとしたカナコの手首をやんわり掴んで降ろさせる。

遼平「あっあまりそばに寄らない方がいいよっ」
カナコ「風邪でしょ?!大丈夫?」
遼平「へいきへいき。バス間に合うかな・・」

遼平は手首を掴んでいた手でカナコの手を握り直し、ふらつきながら
カナコを軽く引っぱって横断歩道を渡る。

カナコ「ねえ、ホントに大丈夫?」
遼平「うん・・薬も飲んだし、へいきだよ・・・。ほら、バス来ちゃった。」
カナコ「・・・・・」

バスは一つだけ席が空いていたが、座るよう目で促す遼平を無視し
カナコはポールを握って遼平と並んで立った。

遼平「よかった、乗れたね。車内は温かいなー・・」
カナコ「遼平ッ!!」

遼平の頬を両手で挟み、無理やり視線を合わせる。

カナコ「どぉして嘘つくの?!」
遼平「嘘?? ウソなんてついてないよ・・これから行くよ」
カナコ「そうじゃないッ!足元も覚束ないくせに、なんでヘイキとかゆーの?!」
遼平「いやいや、バスって揺れるし・・、」
カナコ「馬鹿にしとんのかいッおんどりゃ!!」

カナコは遼平の肩を掴んで揺さぶろうとしてやめた。
頭をその肩にそっと預ける。

カナコ(・・・もしかして、これくらいでキゲン悪くなる人だと思われてんのかなー・・。)
遼平「かなちゃん・・・?」
カナコ「・・・・」

遼平はカナコの髪に鼻を埋め、軽くシャンプーの香りを嗅ぐ。
カナコは小さく身じろぎして、は、と細い溜息を吐いた。

カナコ「・・遼平、やっぱり次で降りよう」
遼平「えっ・・・どうしてッ?!」

フフ、とカナコが笑いかける。

カナコ「楽しいことと幸せなことって、違うことだからだよ」
シナリオの形式になっている=52
見える・聞こえる=52
感動した=41
得点合計=145
::面白かったです。
::これぞ「シナリオ」。
ピーターパン春から東京の大学に進学が決まった。
3/31の朝、わたしが旅立つ日。
14:20発の新幹線に間に合うよう、駅にやって来た。

「またいつでも帰っておいで」

そう言って送り出してくれた母はいつもの笑みを顔に浮かべていた。
受験勉強中、夜中にイライラして八つ当たりしてしまったときも
朝食卓に着いたときには目玉焼きとこの笑顔があった。
そんな母に甘えて、1度も「ごめんね」って言えなかったなあ。
そんなことを考えながら新幹線に乗り込んだ。



初めての東京。初めての一人暮らし。
最初はすべてが新鮮でワクワクした。

「一人暮らしって寂しくない?」
「家族のこと恋しくならないの?」
新しく出来た友達にそう聞かれたら必ず

「そんなことないよ〜」
って答えていた。

でもそれはただの強がり。
夜1人になったときはどうしようもなく寂しくなった。
「おはよう」「おやすみ」って挨拶してくれる人はいない。
脱いだ靴下をそのままにしても怒ってくれる人はいない。
でも性格上、家族にも誰にも弱音も吐けないまま1か月が過ぎた。



1か月後のゴールデンウィーク。
久しぶりに地元の駅の改札を通った。

「おかえり」
いつもの母の笑顔がそこにあった。

「ただいま!」
泣きそうになったことを悟られないよう満面の笑みで返した。

家までの車の中。

「東京はどうなん?上手くやっとんの?」
「うん。まあまあ。」
「まなみのことやから強がって電話してこんと思っとったけど、あんたほんまかけてこんかったなあ。これでも人生の先輩なんやから少しは頼りなさい。」

びっくりした。母には全てお見通しだった。

「うん…。でも母さんだってうちに愚痴とか言ってくれたことないやん。
母さんが言ってくれたらうちも言う。」

精一杯の強がりでそう言うと、母は笑った。

そのときラジオからある曲が聞こえてきた。

「一緒に暮らしても 離れてても
愛してるって 一生言えなくても
いつしか 星になる時も ずっと
結ばれてる 毎日が
家族の日」

離れてても家族なんだって素直に思えた。

「まなみ、家に着いたわよー。」
「はーい」

東京に戻るまでに「ありがとう。」って家族に伝えたいと思った。


シナリオの形式になっている=45
見える・聞こえる=50
感動した=50
得点合計=145
airport

あれは卒業式の前日
いつものように
君と肩を並べて帰っていた

突然君はよく遊んだ
公園の前で足をとめて
「もう一緒に帰れなくなるね」
「高校も違うから
関わりもなくなっちゃうね」
そう言って涙を零した

僕は君の涙を
見たことがなかったから
その重さがよくわかった

でもね
『悲しまないで 友よ』
僕たちはそれぞれ
目指す物が違うから
それぞれの道を行くんだ

辛くなったら
僕が支えるから
ここへ戻れば良い

ここはスタート地点なんだ

だから「悲しまないで 友よ」
いつだって
どんな時だって
僕が味方だよ


いつだってどんな時だって
君は笑顔の方が
すてきだよ

伝えたくて
伝えれなかった
あの日の午後6時

明日の卒業式には
必ず伝えるよ

「悲しまないで ともよ
いつか思い出す記憶の中の
この場所が優しさで
溢れていますように…」

笑っておくれ

シナリオの形式になっている=41
見える・聞こえる=54
感動した=46
得点合計=141
お餅4月、新しいクラスが発表された。
仲の良い子とクラスがはなれてしまった子、
苦手な子と同じクラスになった子…
理由は様々だが、ほとんどの児童が
新しいクラスに不満を抱いているようだ。

理由のひとつに担任である私も
はいっているのだろうか…

「先生〜!」
1人の児童が私のもとへやってきた。
「先生、はやく席替えしてくださいー」
「なんで?何か理由あるん?」
私は尋ねた。
「隣の子、貧乏ゆすりするんやもん。嫌。」
児童は顔をしかめてこう言った。
「その子のいいところ知っとる?」
更に私は尋ねた。
「知らん。嫌なとこならいっぱいあるよ!え〜っとねえ…」
児童は指を折りながら嫌なところを挙げた。
私は児童をとめ、こう言った。
「せっかく同じクラスになったんやし、みんなの悪いところよりいいところ探そ?」
「たまたま同じクラスになっただけやし!あんな子と同じクラスになんかなりたくなかったし!」
児童は譲らない。
「あなたが隣の子のいいところに気づくまで席替えはしません!」
私は児童に言い放った。


数週間後

再びあの児童がやってきた。
「先生!先生!!」
児童は興奮気味だ。
「なぁに?」
私が尋ねると、児童は言った。
「隣の子ね、いい子やった!今まで私あの子の嫌なとこしか見てなかった!先生があんなこと言よったけんね、ちゃんと気づけたよ!」
私はとてもうれしかった。
「そう、良かった!」
「私、あの時席替えしてもらっとったら、あの子の良さに気付けんままもう関わってないと思う。先生、席替えせんとってくれてありがとう!!!」
「先生は何もしてないよ。あなたが隣の子と向き合おうとしたからよ。これからみんなのいいところ、探していこうね!」
「うん!!!」

その日、私は学級目標として教室の後ろに
``全員の良いところを探せるクラス``
と書いた紙を掲示した。


こうして一年後、
「このクラスで良かった!」
と思ってもらえるクラスになるといいな。

全員が全員の良いところを言えるクラス。
それが私の目標です。

縁あって私のクラスになった児童だから。

シナリオの形式になっている=44
見える・聞こえる=51
感動した=45
得点合計=140
紫のばらシナリオ「なごり雪」


1975年3月、ここは東京。
僕と君は幼馴染で、ずっと一緒だった。
僕らは中学を卒業して、来月からは高校に進学。
僕は地元の高校に通うことになったが、君は違った...
親の仕事の都合で、仙台に引っ越すことになり、今月中に東京を発つのである。
僕は彼女が東京を発つ日、駅まで見送ることにした。

そして今日、その日が来た。






(10時45分か...あと15分)
僕と君は駅のホームで並んで立っていた。
今日は季節外れにも雪が降っていた。
汽車を待つ君の横で僕は、なんだか落ち着かない。
何度も時計を気にしては、小さなため息がこぼれた。
「東京で見る雪はこれが最後だね」
君は寂しそうにつぶやいた。
僕は、はっとして君のほうに顔を向けたが、君はずっとうつむいていた。
僕の中で、「最後」という言葉がひどく胸に突き刺さった。
もうこっちに戻って来ることはないのかと思うと、寂しくてつらかった。
「うん...」
僕はそうとしか言えなかった。
彼女の言葉を否定できない自分が、情けなく思えた。


11時。ついに汽車が来た。
君は何も言わずに汽車に乗った。
それでも君はうつむいたままだった。
しかし、汽車の扉がプシューッと閉まったその瞬間、君は僕を見つめ、手を扉につけ、顔を寄せ、何か言おうとした。
僕は思はず、下を向いた。
君の唇が「さようなら」と動くことが、怖かったのだ。
悲しみは一気にこみあげてきた。
僕は嗚咽した。
いっぱいの涙がこぼれ落ちた。
君と過ごした日々は楽しかったが、はしゃぎすぎたのだ。
はしゃいで、笑い合って、いたずらに毎日を過ごしていた。
幼かった君も大人になり、いつの間にか君が僕の中で大切な存在になっていたことにさえ気づいていなかったのだ。

今更だけど、僕は君が好きだ。
君はきれいになった。
去年よりずっと、ずっときれいになった。


顔を上げると、電車はもう行ってしまっていた。
向こうのホームに人は3人しかいない。
こちらのホームには僕1人がたたずんでいた。
雪はまだ降っている。
このなごり雪は、彼女との別れを惜しむ僕の気持ちを知っていたのだろうか。
落ちては解ける雪を見ながら、僕は君のいないホームからしばらく離れられずにいた。


シナリオの形式になっている=41
見える・聞こえる=51
感動した=48
得点合計=140
ぴよこ少し肌寒い夕方、ひとみは、自転車を押しながら歩く裕一と並んで大学から帰っている。
自転車のカゴには、ひとみの荷物。
互いの腕が当たるくらいの距離で、笑顔でじゃれながら話している。
傍から見れば、恋人同士にしか見えない様子だ。

ひとみの使う駅に着く。

ひとみ「今日も、送ってくれてありがとう。」
裕一「どういたしまして。」
ひとみ「いいのかな、裕一くん忙しいのに…」
裕一「嫌じゃないから送ってるんだから、気にしないで。」
ひとみ「…うん。ありがと。」
裕一「うん。じゃあ。あ、明日、10時に駅に集合だよね?」
ひとみ「うん。それから映画館でチケット買ったら間に合うし。」
裕一「わかった。おつかれ。じゃあ、また明日。」
ひとみ「また明日。おつかれー。」

裕一は自転車に乗って去っていく。
後ろ姿を見送るひとみ。
祐一はこちらを一度も見ることなく角を曲がり、見えなくなった。

ひとみ「はあ…。」
ひとみは浮かない顔で、とぼとぼと階段を上る。
ひとみ「ふたりで出掛けるのは良くても、焼きもちだって妬かれるけど、手だって一回握られたけど…」

(回想)
ひとみは裕一と目を合わせることが出来ず、うつむいている。

ひとみ「好きです。付き合ってください。」

裕一がうれしそうに笑う口元だけ見える。

裕一「俺のことを?」
ひとみ「…はい。」
裕一「ありがとう。…でも、友達でいよう。」
(回想終了)

ひとみ「付き合うことはないんだなぁ…。曖昧な感じだな。」

ひとみは改札を抜け、ホームへ降りる。
ホームから、先ほどまで二人で話していた場所が見える。

ひとみ『でも…』

ひとみはその場所を眺めながら、考える。

ひとみ『でも、この状態でいるのは…私が離れたくないからだなぁ。私がまだ好きでいたくて、恋人みたいな関係が本当じゃなくても、近くにいたいと思っているからだな。』

ひとみは、ふっと笑う。

ひとみ「私、バカだなぁ。」

ひとみは、もうすっかり暗くなり、星が輝きだした夜空を仰いだ。


ガーネットクロウ/愛に似てる
シナリオの形式になっている=48
見える・聞こえる=50
感動した=41
得点合計=139
::  
スミマaョット
AM11:00/HY


「目を覚ましてよ」

心地よい声が、あたたかい日差しといっしょに僕を包み込む。

もう朝か。

開けられた窓から、やわらかいそよ風が、カノジョの髪の匂いをはこんでくる。


昨日もそうだった。

僕の好きなカノジョには彼氏がいる。

それも最悪な彼氏が。


僕の幼馴染を傷つける最悪な男。

傷つけられては涙を流すカノジョの元へ、僕はいつも寄り添いに行く。


カノジョの涙を拭うことも、抱きしめることもできないまま、ただ寄り添う。

その時間がただ切なくて、むなしくて。




たいていカノジョは悲しみを流しきると、翌朝にはケロッとして、感謝を告げながら、昔のようにおどけてみせる。

僕はそれを見て、安心したような、もどかしいような気持ちになって部屋を後にする。


でも、


「もう少しだけ」

そういってカノジョは僕の腕をつかんだ。

いつもと違うカノジョ。


抑えきれない気持ちが僕を駆り立てる。
口には出せないけれど、ずっと、ずっと秘めていた、何よりも熱い思いが。


だからお願い 僕のそばにいてくれないか
君が好きだから
この思いが君に届くように
願いが叶いますように


君を彼女と呼べるその日まで、そばにいてほしい。

いさせてほしい。


時計の針は11時をさしていた。
シナリオの形式になっている=43
見える・聞こえる=52
感動した=44
得点合計=139
::心に伝わった!
::何だか好きです
ザビエル赤い糸
コブクロ

2人ここではじめて会ったのが
2月前の今日だね
キスの仕方さえまだ知らなかった


僕の最初のSweet girl friend

たわいもないささやかな記念日
暦にそっと記してた
「今日何の日だっけ?」ってた ずねると
少し戸惑って答えた

「前の彼氏の誕生日だ」と笑って答える
笑顔 はがゆい
そんな話は耳をふさぎたくなるんだよ
確かに
君が彼といた3年の
想い出にはまだかなわない
それでもこんなに好きなのに
すれ違いの数が多すぎて

心の通わぬ やりとりば かり
これ以上くり返すよりも
あなたの心が 答え出すまで
このまま2人会わな い方が
それが明日でも 5年先で も
いつでもここで待ってるから
約束しようよ そして2人
心に赤い糸をしっかり結んで


〜シナリオ〜

初めてできた彼女。
嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

今日は初めて会ってからちょうど2月。
ほんとにささやかだけど、僕にとっては大事な記念日。

試してるわけじゃないけど、彼女に聞いてみた。

「今日何の日だっけ?」

覚えてくれてたら嬉しいな〜と期待してたけど、彼女の答えは残酷だった。

「前の彼氏の誕生日だ。」

君は笑って答えた。

君が彼といた3年の想い出にかなわないのは、しょうがないことかも知れない。
でも、僕と君の記念日が元彼に取られるのがたまらなくつらかった。

すれ違いばかりの毎日。
こんな日々はつらすぎる。
でも、君を好きな気持ちはだれにも負けない自信がある。

だから、君の心が答えを出すまで、僕はいつまでも待つよ。
たとえそれが明日でも、5年先でも、僕はいつでもここで待ってるから。

心に赤い糸をしっかり結んで。




シナリオの形式になっている=42
見える・聞こえる=51
感動した=45
得点合計=138
::心に響きました。
ばいきゅかもめはかもめ

潮のにおいがきつい港町で、男は今日も煙草をぷかぷかふかせていました。女は今日もそんな男を見て、ため息をついていました。
男には、決まった仕事がありません。町の人々の手伝いをしてちょっとした小遣いをもらったり、たまに遠くから来る行商隊の下で臨時のバイトをしてみたり、ともかくその日暮らしの毎日を続けていました。
男はいつも、仮定の話をしました。雨が降るかもしれない。晴れるかもしれない。「かもしれない。」は男にとってとても便利な言葉でした。断定はしない、だから責任は発生しない。素敵な言葉だと、男は思っていました。
女は、そんな男がとてもつまらない奴だと考えていたし、時々面と向かって男に言いました。男はいつも、正面からその小言を受け流していました。
女は男に、見せ掛けでもいいから、今の暮らしを変えるよう努力をしてほしいと思っていました。男は女のそんな思いはつゆ知らず、ただぼんやりと煙草をふかすだけでした。

ある日、男はかもめになりたいと言いました。
それがかもめである必要はありませんでした。ただ目の前にいたのがかもめだったにすぎませんでした。男は自分以外の生き物になりたいと思ったのです。
それを聞いた女は言いました。
「かもめはかもめ 君は君 なのに
いつまでぼんやりしてるの?」
女はとうとう、いつまでたっても自分を変えようとしない男に愛想を尽かしました。女はその日から、男の前に顔を出さなくなりました。
数日後、男はハタと、自分の周りに誰もいなくなったのに気が付きました。叱ってくれる人もいなければ、自分のためにため息をついてくれる人もいません。

男は、なぜだかとても悲しくて、寂しくて、涙を流しました。瞳からこぼれた涙が地面に跡を作りました。その跡はやがて、ぽつぽつと降り出した雨によってかき消されていきました。
男は家に帰って、布団の中でもう一度泣きました。泣いて、泣き疲れて、いつの間にか眠っていました。
男が夜中に目を覚ますと、枕元には女が座っていました。女は男の目の周りを拭いて、今夜だけ、と言いました。男は、明日の晩も来てほしいと言いました。女は困った顔をして、やがてぎこちなく頷きました。
次の日の夜中、やはり女は泣きはらした目をした男の枕元で、目の周りを拭いてやりました。男はまた、明日の晩も来てほしいと言いました。女はまた、しぶしぶ了承しました。
次の日も、その次の日も、同じことが続きました。

ある晩女は、これほど不毛な逢引はないと、今度こそ終わりにしたいと言いました。
男は、それでもいいと、不毛でも何でもいいからと言いました。
女は首を横に振って言いました。
「そうやって、口だけ達者になるんだわ。」
男は、女の目に自分が映っていないのに気が付きました。女の目にはただ、憐みの色が浮かぶのみでした。
シナリオの形式になっている=41
見える・聞こえる=54
感動した=42
得点合計=137
03「夏空」 Galileo Galilei

一学期の終業式の日の学校帰り、中学三年生の綜と蓮の二人は小さいころよく遊んだ青い空のよく見える小高い丘にいた。
「私、○○高に行くから」
「そっか……」
蓮が言った学校は綜の志望校よりも2ランクは上の学校で、
綜の成績でその学校に行くことは到底無理だった。
「あんたは野球頑張りなよ」
行くんでしょ?甲子園。友達に自慢してやるんだから。
笑いながらそう付け足した蓮に対して、綜は曖昧な返事しかできなかった。

その日から綜はボーっとすることが多くなった。
確かに綜の行く高校は蓮にとってはレベルの低い高校だったが、心のどこかで当然のように蓮は同じ高校に行くものだと綜は思っていた。
それを否定された綜は急に不安を感じ、ラジオをつけて最近流行の歌手の曲を聴いたが、それは何の解決にもならなかった。

学校にいるときにも綜は違和感を感じるようになった。
今話しているグループの友達もあと半年もすれば違う学校に分かれてしまう。
それでもみんなはいつも通りの生活を送っている。
そう考えると綜は自分がまるで聞き分けのない子供のように思えてきたのだった。

家に帰り綜は思った、自分は今変わらなければならないのだと。
それは絶対に誰もが経験することであり、避けられないものなのである、と。
そう思ったとき、綜は家の外へと飛び出していた。

このまま半年後に蓮と違う高校に行くことになってしまったとしても、練習の合間を見つけて時々会いに行けばいい。
何でもない普通のことが、今はとても良い考えのような気がして、綜の走る速度はどんどんと速くなった。
蓮の家の前まで来た綜は、ポケットから携帯を取り出す。
「絶対に甲子園に行くから」
それだけ打つと、そのままメールを蓮に向けて送信して、綜は走ってきた道を戻っていった。
シナリオの形式になっている=42
見える・聞こえる=52
感動した=41
得点合計=135
::物語が目に浮かぶようでした。
卒業の日 サスケ

三年間通ってきたこのゆるやかな坂道とも今日でお別れ。いつもは素通りだけど今日は、その光景を名残惜しみながら、ゆっくりと眺めながら自転車をこぐ。

自転車置き場のほうに行くと、親友の智樹と雄大がいた。雄大の肩をたたきながら「おはよう」と声をかけた。「うぃっす」「おはよう」と二人がそれぞれいった。「でもなんか雄大のブレザー姿って変だよね。」智樹がそういった。「やっぱそう思うかな。俺も自分で着てて変な感じがするんだよな。つっても卒業式だから仕方がないけどな。」紺色のブレザーに身をつつんだ雄大が苦笑いしつつそう答えた。そんなやりとりをしながら三人で教室へと歩いて行った。

教室にはすでにほとんどのクラスの仲間がいて。みんなが思い思いに写真を撮っていた。僕は落書きだらけの自分の机に荷物を置いた。
ざわついているクラスの仲間と思い出を語っていると不意にチャイムが流れた。一瞬教室が静かになりそれぞれがまぶたを閉じた。
鳴り終わったころ担任の石川ちゃんがやってきた。男の先生だがみんなからそうあだ名をつけられていた。二言三言事務的なことを言った後「今日でみんなともお別れだ。先生はこのクラスの担任でよかった。最後は笑顔で締めくくろうぜ。それじゃ、俺の話は後にするとして、式場へ向かうか。」その言葉の後石川ちゃんを前にして式場へと向かった。

式は滞りなく進み、校長の長いスピーチが終わり、在校生からの送辞を受け取った。「卒業生答辞」進行役の子がそう告げたあと、智樹に促されながら僕は前に出た。緊張のせいで真っ白になりそうな頭を深呼吸することで落ち着かせた。周りを見ると雄大がニヤニヤしているのが見えた。一瞥だけして僕は読み始めた。

「桜のつぼみが膨らみ始めた今日のよき日に、僕達二百十二名の卒業生のために、このように盛大な卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。この三年間を振り返ってみますと、数々の思い出が浮かんできます。クラスが一致団結し競い合った体育大会、アイディアを出し合って準備した文化祭など、言い尽くせないほどの思い出でいっぱいです。これから僕達は別々の道を歩んでいき、新しい日々をスタートさせますが、自分の夢のカケラをつなぐたびに、みんなの笑顔が背中を押してくれると思います。」

こうして僕達の卒業式は進んでいくのであった。
シナリオの形式になっている=41
見える・聞こえる=50
感動した=44
得点合計=135
ポン  出会い

 
 今日は教師として、初めて学校に行く日だ。まずは職員室に行って、他の先生方に挨拶をしなければいけない。緊張するけど、最初が肝心なんだから、しっかりしないと。

 次は自分の担任するクラスだ。それにしても、さっきは散々だった。緊張してろくにしゃべれなかったし、学年主任の先生はかなり厳しい感じだし・・・、あんなのが母親だったらグレるね俺は。こんなんで大丈夫なのか俺は教師として。やばい、もうホームシックだ。早く家に帰って卵かけご飯でも食べたい。やっぱり知らない人ばかりの新しい環境におかれると、どんどん心細くなってくる。なんて、陰鬱な表情で考えながら歩いていると、自分のクラスが見えてきた。よし、しゃっきりしないと。教師初日の授業なんだから。

ガラガラ

 教室に入ると、不思議そうな顔にいくつも迎えられた。まぁそりゃそうなるだろう。
「みんなおはよう。今日からこのクラスの担任になる●●●●だ。まあ、みっちゃん先生とでも呼んでくれ。これからよろしくな。」
 生徒からは特に目立った反応もなく、すこしさびしかった。しかたないか。最近はみんな人見知りだもんな。まぁ俺もだけど。

 自分の頼れる人がいないというのは、こんなにも心細いものなのだろうか。家族、友人、誰でもいいから会ってこの今の不安な気持ちをぶちまけたい。助けてhelp me。
またまたそんなことを考えながら、課題ノートにはなまるを描きまくっていると、1人の女の子が近づいてきた。
「どうしたんだ?」
「さっきの授業のここがわからないから、先生教えてほしいの。」
 きた。初めての質問だ。俺は丁寧に丁寧にその子に教えてあげた。
「わかった!次はもう1人でできるよ。先生ありがとう!!」
 そして満面の笑みを浮かべて、お礼を言ってくれた。

 きれいな笑顔だった。俺が今まで生きてきて見た中でも、1番だと思えるほどに。

 家に帰って卵かけご飯を食べながら、思った。たぶんしばらくは不安になる波が何回もやってくるだろう。それはしかたない。でも、あんなにきれいな笑顔を見ることができるなら、そんな波にも流されまい。もっともっといろんな子どもたちの笑顔を見るために、明日からも頑張って、教師として生きていこう。とりあえずノート全部にはなまるをつけないと。

       おわり

 
シナリオの形式になっている=44
見える・聞こえる=50
感動した=40
得点合計=134
おちょこ曲名:will〜地図にない場所〜
歌:Janne Da Arc

※歌詞だけ見て書いたので曲調と合ってないかもしれません。歌詞は載せると長くなったので載せてません。
――――――――

突然だった…
いつも一緒にいて、これからもずっと一緒にいられると思ってたのに。


「どうしてっ…!なんでクロが死なないといけないの!?神さまっ…返してよぉっクロをかえしてっ…うぅ……」

クロは私が名付けた犬で、真っ黒だったからそのままクロって名前にした。

クロは凄く大きい犬で世界一大きい犬種なんだってお父さんが自慢してた。

私は生まれたときからそんなクロとずっと一緒で。小さいときはクロの背中に乗せて貰ったこともあったってお母さんから聞いたんだ。

だからこれからもずっと一緒にいるはずだった。私はずっとそう思ってた。



私が9歳になってからすぐ…今日、クロは突然死んだ。

―――――‐‐‐‐


「香奈ー!!ご飯よっ降りてきなさい!」

「いらない!!!」

あれから3日経ったけど、私は何も食べる気にはなれなかった。ただ、クロと行った公園とかをひたすら1日歩いた。
けどクロはいなくて、気づいたらあの場所にいたけどそこにもいなくて。

「っ……ぐすっ……」

ただ涙が止まらなくて、夜はずっと布団の中で泣いていた。



―――――‐‐‐‐‐


『ここは…?』

気が付くと目の前には全然知らない景色。そこはどこまでも続いてる花畑で。辺りには蝶々も舞っていた。

『キレイ……』




ワンッ!!



『っクロ!?』

後ろから聞こえた鳴き声は私が生まれたときからずっと聞いていた鳴き声で、さっきまで聞きたいと願ってやまない鳴き声だった。

『ワンッ』

『クロ!!!!』


振り替えってみるとそこには3日前と全く変わらないクロがいて。クロは元気よく尻尾を振って私の所まで駆け寄って来た。

『クロー!また会えたっ…!!!』

『ワンッワンッ!』

『クロ、帰ろう!どうしよ〜お母さんもお父さんもビックリするよ!!』

私はクロに笑いかけて、クロと一緒にこの場所から出るための出口を探そうとした。

『クゥン……』

『クロ??どうしたの?』

クロは歩く気配が全然なくて、その目はさっきとは違い凄く寂しそうだった。

『クロ…??』

その瞬間、いきなり景色が歪みだした。

『クロッ!クロー!!!』

私は咄嗟にクロに手を伸ばしたけど、クロは動かなかった。



――――‐‐‐‐


「ん……」

目を開けると何時もの見慣れた天井があって。

「あれ…クロ??クロは!?」


私は部屋を飛び出して急いで一階のリビングに行った。

「お母さん!クロは!?私クロに会ったんだよ!!」

「香奈…。クロはもういないのよ……」

「嘘っ…だって昨日クロと会ったんだもん!!一緒に帰ろってっ………!」

「それは…………もしかしたらクロは香奈を心配して香奈の元に来たのかもね。」

「心配…??」

「そう、香奈が元気ないからクロは安心して天国に行けてないのよ。」

「私の…せいで…??」

「香奈…」

「私っクロに伝えてくる!!!」

「香奈っどこに行くの!?」


クロ…ごめんね、私気づかなくて…。私がしっかりしないといけないのにっ。

「はぁっはぁっ」

何時もの道を通り抜けて、クロと私しか知らない…地図にないあの場所へ。

「はぁ…やっと着いた。」

ここは誰も知らない湖がある場所。クロが見つけた場所。

「クロ…私は大丈夫だよっ!!!だから、クロは安心してね!!!!」

だから…どうか私を見守っていてね、クロ。

シナリオの形式になっている=44
見える・聞こえる=46
感動した=43
得点合計=133
かっぱ
私が担任するクラスは男子20名、女子9名、計29名のクラスである。

遅刻してくる者は誰もいない。
が、早退をする者がいないと言えば嘘になる。

忘れ物をする生徒は1人もいない。
生徒の机は置き勉であふれているから。

授業中、居眠りをしたり、騒いだりする生徒はいない。
が、教室中を何かが頻繁に飛びかっている。

朝は毎日15分の読書から始まる。
が、活字を読む生徒はごくわずかだ。

好きな時間は体育と給食である。
が、どうやら整列は苦手である。
体育の時も、給食当番も一列に並ばない。

嫌いな時間は、掃除の時間。
ほうきの柄のぶつかり合う音が響き渡る。

こんなクラスは荒れていると思うだろう。
確かにそうかもしれない。
が、そんなクラスでも私は嫌いじゃない。
笑顔と元気と思いやりのある生徒たちが
みんな大志を抱いているから。

シナリオの形式になっている=42
見える・聞こえる=52
感動した=39
得点合計=133
:: 
::他の作品より、断然よかったです
ぴぴbest friend/西野カナのシナリオ

小中高とずっと同じ学校だった私たち。
キミはいつも私のそばにいてくれた。
期末テストで赤点とった時、誰よりも励ましてくれたね。
好きな人と付き合えるようになった時、誰よりも喜んでくれたね。
2人一緒なら悲しみは半分に、喜びは倍になっていた。


高校三年の春、私たちは二人とも第一志望の大学に合格。
私は大阪。
キミは東京。
別れの日。
笑顔でさよなら。
…なんてできなかった。
とめどなく涙が溢れた。
ありがとう。
だいすき。
ばいばい。


四月、桜の中。
私は新しい土地での新しい生活が始まった。
いろいろ大変だけど気の合う友達もできて結構楽しいよ。
でもキミのことは忘れない。
だってキミは私のbest friendだから。

シナリオの形式になっている=40
見える・聞こえる=52
感動した=41
得点合計=133
田舎者「マンガ返したいから、今から行くね」

日付が変わりそう。
別に明日でもいいんだろうけど、どうしても今がいい。

深夜0時の街を自転車で行く私は、今日もTシャツを着ている。
夜風が涼しく感じるのは、気温のせいだろうか、自転車を漕いでいるからだろうか、それとも…。

ピンポーン。
いつも通り、君が顔を出す。
「遅くにごめん。はい、これ。ありがとう」
「おう、サンキュ」
…それだけかよ、こんな夜中に来たのに。
でも、君は何も知らない、気付かない。
だから私はまた、いつものようにへらへら笑う。

ああ、素直になれたらなあ。



「たまにはギャップ見せなきゃ、ギャップ」

親友はアイスティーを手にしながら言う、すまし顔で。
もっともだと思うけど、無理だよ、そんなの。
ぐるぐると考えながら家路に着く。

…だけど私は、やっぱり。

深夜0時、自転車をとばして行く今日の私は、おろしたてのサンダルを履いている。

ピンポーン。
いつも通り、君が顔を出す。
「何かあった?」
…何もないよ、別に。
でも、でも…言ってしまおうか。

「ただ会いたくなったから、それだけだよ」

驚いて赤くなる君が見えた。

サンダルには気付かない相変わらずの君。
それでもいいよ、そんな君もひとつだけ、気付いてるから。



♪あいかわらず より
シナリオの形式になっている=41
見える・聞こえる=49
感動した=43
得点合計=133
ラララ1.日常

男(24歳)は社会人1年目。
まだまだ慣れない会社勤めで、上司からは怒られる日々。
重い鞄を持って街中を駆け回る。
毎日があっという間に過ぎ去る。

男「彼女をつくって旅行したり遊んだり…
  もうちょっと楽しいはずだったのに。」

2.理想

同じ会社の女「これ、わからないんで教えてください。」

男「あぁ、いいよ。」

→恋が始まる。はずだった。
 よくある恋の始まりのはずだった。

3.出会い

男「なあ、友人A。誰か可愛い子紹介してくれ。」

A「いないですよ」

男「友人Bはいないか?」

B「今度、Cちゃん紹介します。」


男「初めまして。」

C「初めまして。」

Cは田舎から都会へ出てきたばかり。
好奇心旺盛で男はCを色々なところへ連れて行った。

何度か遊ぶうちに男はCに恋をしていた。
その気持ちはCも同じだった。

4.出会いから1年後

一緒に暮らし始めた。
まだ若いのに高級なマンションで。
お互いあまり干渉せずうまく生活していた。

5.出会いから2年後

些細なことで喧嘩が多くなった。
ことあるごとにいがみ合っていた。
2人とも冷めていく想いをわかりながら
気づかないふりして過ごしていた。

6.半年後

男「別れよう。」

C「うん。」

2人は別々の未来へと進んだ。


シナリオの形式になっている=47
見える・聞こえる=45
感動した=38
得点合計=130
しん夏。
行き交う人ごみの中を歩く一人の男。
彼はこれから接待先の会社に向かうところだった。
前から知らない女が歩いてくる。
よそ見をしていた男は、その女と派手にぶつかった。
男「すみません。大丈夫ですか。」
女の散らばった荷物を拾う男。
女「すみません。私こそよそ見をしてたみたいで。」
荷物を渡す時に触れ合う指先。
男は一瞬で恋におちた。
女「すみません。ありがとうございました。」
しかし、男が声をかける間もなく、女は行ってしまった。

数日後。
男が先日訪れた会社に行くと、この前ぶつかった女が働いていた。
男「ここの人だったんですか。」
女「あら、この前の・・・」
二人は話をするうちに意気投合し、それから数日後、付き合うことになった。
しかし、女はもうすぐ海外に転勤する予定が決まっていた。
女「私、一か月後にはアメリカに行くの・・・。アメリカに行くことは、私の夢だったから・・・。」
男「・・・そうか。」
男は仕事が順調で、もうすぐ昇進の話も出ていた。
二人は離れることしかできなかった。

二週間後。
男の家に、女がやってくる。
今日が二人の最後の日だと、二人は感じていた。
女「この前、懐かしいワインを見つけたの。これ、好きだったでしょ?」
男「ああ、それ、出会ったころに一緒に飲んだワインだよな。ちょうどいいから、乾杯しようか。」
女「ええ、私、出会ったこと、後悔してないわ。」
男「・・・俺もだよ。」
しばらくして、女は帰って行った。
男は一人になった部屋で、さみしいと感じた。
シナリオの形式になっている=44
見える・聞こえる=46
感動した=38
得点合計=128
ラララ曲名:ありふれたLove Story

1.日常

男(24歳)は社会人1年目。
まだまだ慣れない会社勤めで、上司からは怒られる日々。
重い鞄を持って街中を駆け回る。
毎日があっという間に過ぎ去る。

男「彼女をつくって旅行したり遊んだり…
  もうちょっと楽しいはずだったのに。」

2.理想

同じ会社の女「これ、わからないんで教えてください。」

男「あぁ、いいよ。」

→恋が始まる。はずだった。
 よくある恋の始まりのはずだった。

3.出会い

男「なあ、友人A。誰か可愛い子紹介してくれ。」

A「いないですよ」

男「友人Bはいないか?」

B「今度、Cちゃん紹介します。」


男「初めまして。」

C「初めまして。」

Cは田舎から都会へ出てきたばかり。
好奇心旺盛で男はCを色々なところへ連れて行った。

何度か遊ぶうちに男はCに恋をしていた。
その気持ちはCも同じだった。

4.出会いから1年後

一緒に暮らし始めた。
まだ若いのに高級なマンションで。
お互いあまり干渉せずうまく生活していた。

5.出会いから2年後

些細なことで喧嘩が多くなった。
ことあるごとにいがみ合っていた。
2人とも冷めていく想いをわかりながら
気づかないふりして過ごしていた。

6.半年後

男「別れよう。」

C「うん。」

2人は別々の未来へと進んだ。



シナリオの形式になっている=46
見える・聞こえる=42
感動した=38
得点合計=126
クラウン
bye bye / フジファブリック


待ちに待った土曜日 映画に誘ってみたら
二つ返事の君と 手を繋ぎ 街歩いた

晴れわたった空には 大きな入道雲が
いつもこうして何でも 何気なく過ごしていた

それじゃバイバイ またバイバイ
繰り返しても帰れない 離したくても離せない手だ


君がいなくても こちらは元気でいられるよ 言いきかせていても 涙が出るよ

君の選んだ人は とても優しい人なんだろな 遠くに行っても そう どうか元気で


冷めきったこの部屋 君がいるんじゃないかと 鍵を開けれ現実 そっとライトをつけるよ

「愛」は何だい 分からない わかるもんなら困らない 手はもう離してしまった

君の横顔が とても素敵だったことはもう
忘れたつもりでも 涙が出るよ

君の選んだ人は とても優しいひとなんだろな 遠くに行っても そう どうか元気で

久しぶりに来た駅のホーム 何気なく電車に乗った 扉が閉まる瞬間に 窓越しに君を見つけた

君の横顔は 今では誰かのものなんだな
離れてく君見て 涙こらえて

君の横の人 想像通りの人だったね
心の中で祈る 幸せでいて




シナリオ



ずっと二人で一緒に過ごしてきたけど、相手の幸せのためには自分じゃだめだと気付くがお互いの幸せのために割り切った恋をしようとする切ないすれちがいの中、大人への道を涙と思い出ともに歩き始める青年の気持ち。愛とは何かということ考え大人になっていく自分たちのせいしゅんです。
シナリオの形式になっている=40
見える・聞こえる=44
感動した=39
得点合計=123
コバヤシ
新学期。

新たな出会いの予感。

期待に胸を膨らませ、クラス分けの紙を見る。

前のクラスの友達は新しいクラスにはいない。

それでも勇気を振り絞ってクラスの連中に声をかける。

その瞬間からもう「友達」。

毎日が楽しい。

そして夏休み−体育祭−文化祭と時は過ぎ−

別れの季節がやってくる。
シナリオの形式になっている=39
見える・聞こえる=46
感動した=38
得点合計=123
全員STEP/AAA

2011年4月。
わたしは大阪教育大学に入学。
別にすごく教師になりたくて入ったワケじゃない。
先生に向いてるとたまに言われるし、教員免許持ってて損はないと思ったから。
でも、大教での生活はとても楽しくて、ここに来て本当に良かった。
授業もサークルもとても充実している。
一生友達でいたいと思える仲間もたくさんできた。
ここでの充実した4年間で、将来本当に自分がやりたいこと見つけたい。


♪どんな明日が 僕らのこと 待ち受けているのだろう
不安だよね だけど知らないからこそ自由だね
曇った空 未来の自分の姿 見失いそうだ
でも消えない 胸の奥に ヒカリ射すように

間違うことは怖いけれど
だれもが 立ち上がれるはずさ

Step Step 踏み出せ
君だけの 足音を世界に鳴らせ
All Right 届くよ
Yes! はじまりは今迷ってもいい

Step Step 響かせ
新しい自分をこの空に描け
Right Now 僕らの
Yes!旅立ちだ 未来 掴み取ろう
We gotta go!♪


大学も少し慣れてきた。
でも、悩むことや落ち込むこともたくさん。
塾でのバイトは上手くできない、
飲食店でのバイトも怒られるばっかり。
サークルが上手くいかない日もある。
でも!目標ができた。
目指す場所ができた。
生きるために仕事をするんじゃなくて、
仕事をするために生きる。
そんな人になりたい。
そんな風に思えるほどやりたいことが見つかるってすごいことだ。
だから努力は惜しまない。
前を向いて歩いていこう!


♪Oh! また足が止まる どこ見ても確かな先など無く
つまづいた傷と あの日のミスの積み重ねで深くかかるミスト
抜け出す一歩は君だけのミッション さぁ進もう背筋はピッと
苦悩も苦労も飲み込みFlow 生きてる限りは全てがヒント
ほら、そのうち晴れるさ きっと…!

あの日 君と 見上げた空 青くて果てしなかった
限界とか 自分が作っていたと 気付いたね
頬を伝う 涙で確かめるんだ 想いの強さ
譲れないね つまづいたって 目指す場所がある

未来の 近道はないから
何度も 自分を信じ 行こう

Step Step 聴かせて
君だけの 足音を世界に鳴らせ
All Right 繋がる!
Yes! 輝いた道を 駆け上がるのさ
Step Step 消えない
悔しさを 見下ろして 空は続くよ
Right Now 僕らも
Yes! 羽ばたける 夢を翼に変え
We gotta try!♪


この曲知らない人多いと思いますが
めっちゃいい曲なんで聞いてみて下さい★



シナリオの形式になっている=38
見える・聞こえる=45
感動した=40
得点合計=123
肉男なんの目標もなくつまらない日々を過ごし、毎日が退屈で退屈でしかたがなかった。そこに突然共に時を過ごす仲間が現れた。その仲間には夢があり、意味のある日々を過ごし、毎日を楽しんだ。初めのうちはその仲間と一緒にいることが嫌で仕方なかったが、その仲間といることで毎日が少しずつ楽しく感じられるようになってきた。毎日に「感情」が出てき始めた。そしてある目的を見出すことができた。目指すものは違うけれど、仲間と共に楽しい時も悲しい時も同じ想いで過ごした。あんなにつまらなかった日々が意味のある楽しい毎日へと変化していった。仲間と離ればなれの時でも同じ想いでつながっていて、楽しく時を過ごした。
シナリオの形式になっている=38
見える・聞こえる=42
感動した=38
得点合計=118